ポストヘッドバー(Post-Head-bar)工法
- 後施工プレート定着型せん断補強鉄筋 -
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ポストヘッドバー工法は、既設コンクリート構造物の耐震強度に威力を発揮する工法。
新技術活用システム検討会議(国土交通省)においてNETISの令和元年度準推奨技術に選定された。
建設技術審査証明も取得しており信頼できる工法。
「ポストヘッドバー (Post-Head-bar)工法」とは、既存構造物の表面からPHbドリルなどで削孔を行い、その孔内に専用モルタルを充てんした後で、後施工プレート定着型せん断補強鉄筋“ポストヘッドバー”を差し込み、構造躯体と一体化をはかり、部材のせん断耐力だけを向上させる工法となる。
ポストヘッドバー工法の特長


- 内空断面を侵さずにせん断補強が可能
- 曲げ耐力を一定にしたまません断耐力だけを大きく出来る
- 軽量・小型な専用ドリルで施工できるため、狭い空間でも施工可能
- 専用ドリルを用いることに伴い鉄筋損傷・切断の危険が無くなる
- 背面地盤の掘削が不要なため短工期・低コストで施工可能
- 集塵機を用いることで粉塵の低減を図ることができ、作業員の健康と周辺環境に及ぼす影響が少なくなる
適用範囲
建設技術審査証明報告書を考慮した時のポストヘッドバーの適用範囲を下表に示す。
多様なポストヘッドバーの径・材質での施工が可能。
主な補強目的 | レベル2地震時のせん断耐力向上 |
---|---|
ポストヘッドバーの径 |
片端矩形プレート型および両端円形プレート型:D13、D16、D19、D22、D25、D29、D32 機械式継手型:D13、D16、D19、D22、D25、D29 |
ポストヘッドバーの材質 |
SD345、SD390 (SD295A・Bには対応していない) |
主な対象構造物と部位 | 地震時の応答が周辺地盤の挙動に支配される地中構造物の壁、壁付き柱、底版、頂版およびこれらに付随する梁(はり) |
施工後の変形性能の 照査を行った上で 適用可能な 対象構造物と部位 |
|
適用できない構造物と部位 | 地震時に大きな変形を許容する必要がある構造物・部位 |

施工可能スペース
施行フロー
せん断耐力
ポストヘッドバー工法実施後のせん断耐力は数多くの実験に基づいて確立されており、以下に計算方法を概説する。
ポストヘッドバーのせん断耐力の計算法
我が国で最初に建設技術審査証明書を取得したポストヘッドバーは、新設時に用いるせん断補強鉄筋のかわりに用いる後施工タイプのせん断補強鉄筋である。したがって、基本的に新設のせん断補強鉄筋と同様に補強対象部材の主鉄筋どうしを結ぶように設計することが重要となる。
ポストヘッドバーのせん断耐力はコンクリート標準示方書等の考え方を基本としている。具体的には、同一径・同一強度のせん断補強鉄筋を新設で用いる場合のせん断耐力に有効係数をかけることによりポストヘッドバーのせん断耐力が算出できる。
有効係数はポストヘッドバーの鉄筋径等により決定されるが、審査証明報告書で、その最大値は0.9で頭打ちとなっている。したがって、後施工であることで新設時に用いる同一径・同一強度のせん断補強鉄筋のせん断強度の、最大で0.9倍のせん断強度で設計できることになる。
なお、この考え方は、ポストヘッドバーの後で建設技術審査証明書を取得した類似工法でも踏襲されている。
ポストヘッドバーのせん断耐力の算出式
Vphb=βaw・Vawd=βaw [Aaw ・fawyd (sinαaw+cosαaw)/Saw]z/γb
Vphb | ポストヘッドバーにより受け持たれるせん断耐力 |
---|---|
βaw |
ポストヘッドバーの有効係数 βaw =1-ly/{2・(d-d’)}(d-d’≧ly、片端矩形プレートの場合) βaw =1-ly/(d-d’)(d-d’≧2ly、両端円形プレートの場合、D32両端円形プレートの場合はd-d’>710mm以上) ただし、βaw≦0.9 |
ly | ポストヘッドバーの円形プレート側の必要定着長(下表参照) |
d | 部材の有効高さ(=部材厚 - 地山側主鉄筋の地山側表面からの芯かぶり) |
d’ |
手前側主鉄筋の芯かぶり d-d’は主鉄筋間隔となる |
Aaw | 区間Sawにおけるポストヘッドバーの総断面積 |
Saw | ポストヘッドバーのせん断スパン方向の配置間隔 |
fawyd | ポストヘッドバーの設計降伏強度 |
αaw | ポストヘッドバーが部材軸となす角度 |
z | 一般にd/1.15としてよい |
γb | 一般に1.10としてよい |
鉄筋径 | 鋼種 | |
---|---|---|
SD295A・B SD345 |
SD390 | |
D13 | 3.5D | 4.0D |
D16 | 5.0D | 5.5D |
D19 | ||
D22 | ||
D25 | 5.5D | |
D29 | ||
D32 |
施行状況写真
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基礎の施工事例